回らないお寿司屋さんでの体験 -中学時代版-

「回らないお寿司屋さんに行きたい」
中学時代に両親に一度、そうお願いした事があるそうです。

そもそもその当時は回転ずしが今ほど流行ってはいなかったと思いますが、私は何を思ったのか、そう言ったんです。
カウンターがメインの近所のお寿司屋さんに連れて行ってもらい、その時のちょっと大人な体験談です。

町のお寿司屋さんですから、決して高いお店ではなかったはずですが、特に金額も見ずにあれこれ注文する父親にまず驚きました。
店主と話をしながら「マグロの食べ比べしてみたら?3種刺身ちょうだい。」みたいな感じで。
あれはある?これは?と。メニュー見ろよ、みたいな(今思うと私もこの癖がある、メニュー見ない癖)。

一通り楽しんで、店を出た時の父親の感想。
「(母親が)仕事の自慢話をしたもんだから、足元見られて大分高い会計だったじゃないか。」
「店主も息子も、会話がほんとに面白味がないな。そもそも受け答えもままならない。会話を楽しめないカウンターじゃあなあ。」
「握り方もどうもなあ。〇〇は直して欲しいんだけど言ってもダメなんだよ。」
「ここはもう来ないかなあ。」

大人(商売)の世界は、本当に厳しいなあと思いましたね。寿司を握っていれば良いってわけじゃないのか!?と変な関心をしたものです。
そしてほどなくして、そのお店は閉店してしまいました。あながち父親の感想は間違っていなかったのかもしれない。

近所にお寿司屋さんが無くなったのもあって、おそらくその後父親と一緒にお寿司屋さんに行ったのは、私が結婚して家を出た後だったかと。
その時には、家族での会話が多くて、店主と話をする間もないし、出た後に店の評価を聞くこともなかったんです。会話に夢中だったというか。

いやいや親父さん、そういう食事がいいよねえ。笑
中学時代の私には、親父を会話で楽しませる技量なんて無かったんでしょうね。
さて、今ではどうでしょうか。そういう力も付けていかないといけませんね。

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